
これから保育士として勤務する方にとって、どのような服装で勤務に当たれば良いのかは気になる問題です。
保育士が服装に気を配ることは、これから社会性を身につけていく園児にとっても、保護者や地域住民に良い印象を持たれるうえでも、とても大切です。
本記事では保育士の服装選びのポイントを解説します。
季節や場面ごとのおすすめの服装も紹介するので、これから保育士として勤務される方はぜひ参考にしてください。
目次
【画像付き】保育士の基本的な服装を紹介
保育士の基本的な服装をご紹介します。
ここでおすすめするアイテムは通年で使用するものばかりです。
保育中はなにかと汚れやすく、着替えが必要になることもあります。
何セットか用意しておくのが良いでしょう。
エプロン
保育士のマストアイテムといえるエプロンですが、頭からかぶるタイプがおすすめです。
頭からかぶるタイプは、紐を結ぶ手間がなく、着脱が簡単です。
また、エプロンに紐があると、いつの間にか解けてしまうことがあります。
自分自身が立ち上がるときに紐を踏んでしまったり、園児が紐を踏んで転んでしまったり、思わぬ事故につながりかねません。
手間の少なさと安全性のために、エプロンは頭からかぶるものが良いでしょう 。
ズボン
保育士のボトムはズボンがおすすめです。
保育士の仕事には、園児と公園で遊んだり走ったりする 場面があります。
このようなときに、スカートだと下着が見えてしまったり、裾を踏んで転倒したりする危険性があります。
そのため、基本的な服装として動きやすいズボン、特にストレッチの効いたチノパンやジャージが良いでしょう。
かがんだときに下着が見えてしまうようなローライズパンツは避けてください。
保育園のなかには、規定でジャージを禁止しているところもあるので、事前に確認が必要です。
トップス
保育士が着衣するトップスは、動きやすくシンプルなTシャツやトレーナーが向いています。
園児を抱っこしたり、一緒に遊んだりすることが多い保育士にとって、動きにくいトップスではとっさに動けず、疲れやすくもなります。
いざというときに園児の安全が守れるよう、トップスには動きやすいTシャツやトレーナーが適しているでしょう。
保育士におすすめの服装を季節別に紹介!
保育士の服装は、季節ごとに異なります。
寒暖差で体調を崩してしまわぬよう、温度差に対応できる服装がおすすめです。
ここでは季節によって必要な保育士の服装を紹介します。
春におすすめの服装
春は気温差が大きいため、動きやすく温度調整しやすいカーディガンやジャージなどがあると便利です。
特に新年度は慣らし保育や新しいクラスで、泣いている子や落ち着かない子が多い時期です。
慣れた頃に大型連休があるので、連休明けもせわしない環境が続きます。
保育士は園児を抱っこするなどさまざまな場面でフォローに入るので、つねに動き回ることになり、室内で汗ばむこともあります。
着脱しやすい薄手の上着や長袖で調節すると良いでしょう。
夏におすすめの服装
夏には、吸湿速乾タイプや通気性の良い下着、UVカット素材のアイテムなどが適しています。
夏は戸外活動や水遊びが増える時期です。
熱中症対策のためにも、涼しさを重視した服装が必要になります。
保育園によってはエアコンが効いていて、室内で体が冷えることがあります。
春と同様に1枚羽織るものを用意しておきましょう。
秋におすすめの服装
秋でも日中は汗ばむことがあるので、夏と同様、Tシャツにチノパンやジャージなどで十分でしょう。
ただ午後のおやつのあとに、散歩や園庭での活動などで外に出ると、冷え込むことがあります。
体温調節のしやすいアイテムを準備しておくと良いでしょう。
冬におすすめの服装
冬も園児と外で遊ぶことがある ので、動きやすい服装が適しています。
とはいえ、同じ服装のまま室内に入ると暖房で汗ばむことになります。
冬場は、室内・室外の気温に応じて体温調整ができる服装がベストです。
長袖のTシャツの上にトレーナーやフリースを着たり、外に行くときは上着の下に薄手のダウンや防寒機能付きインナーを着たりするのが良いでしょう 。
保育士におすすめの服装を場面別に紹介!
保育士にもTPOがあり、行事や場面ごとに必要な服装があります。
いつも同じ服装で良いわけではありません。
ここでは保育園の主な行事ごとの服装を紹介します。
入園式・卒園式
入園式や卒園式では、基本的に以下の表のようなフォーマルな服装が求められます。
入園式 | 卒園式 | |
スーツ | 白やベージュなど明るい色 | 黒やグレーなど落ち着いた色 |
スカート | 短すぎないもの | |
ストッキング | 暗い印象にならないように黒ではなくベージュ |
主役は園児たちなので、シンプルなデザインのものを選びましょう。
保育園によっては、卒園するクラスの担任は袴を着用する場合があります。
その場合も、袴や髪のセットなど含めて、派手になりすぎないようにしてください。
運動会・遠足
運動会や遠足では、動きやすい服装が必須です。
ときに泣いている園児を抱っこしながら歩いたり、危険な場面でとっさに動いたりしなくてはならないからです。
基本は、Tシャツとジャージなどの動きやすいボトムスが良いでしょう。
また、体温調整と虫刺され予防に上着が1枚あると安心です。
帽子は熱中症対策に必須です。
靴は普段履き慣れた靴にしてください。
プール
プールの場合は、見守りなのか一緒にプールに入るのかによって、必要な服装が異なります。
見守りの場合は、乾きやすい素材のTシャツにジャージ素材の短パンなどが向いています。
見守りといっても、園児を抱っこしたり水をかけられたりして濡れるので、着替えの用意は必要です。
一緒にプールに入る場合は、肌の露出が少ないタイプが良いでしょう。
フィットネス用やセパレートタイプ、ラッシュガードなどがおすすめです。
プライベートではないので、フリルなどの装飾が付いたものやビキニなどは避けてください。
保育参観・生活発表会
保育参観や生活発表会は、普段の保育園での活動を見せるためのものなので、いつもどおりの服装で大丈夫です。
とはいえ、保護者から良い印象を持たれるためにも清潔感には注意しましょう。
毛玉やシミがないか、襟元が伸びていないか、派手なデザインではないかなどに気を配る必要があります。
保育園によっては、フォーマルな服装と決められている場合があるので、事前に確認しましょう 。
避けたほうが良い!保育士のNG服装
保育士として働くうえで、好ましくない服装があります。
それは露出が多い服や派手な服装です。
どちらも保護者や周辺住民からの信頼問題に関わるものです。
職場である以上、過度なおしゃれは避けるようにしましょう。
露出が多い服装
露出が多い服装は避けるべきです。
保護者や周辺地域住民から見て、印象が良くありません。
だらしない、軽薄なイメージを持たれると、当の保育士だけではなく保育園自体にもマイナスになります。
動きにくい、日焼けしやすい、虫に刺されやすいなどのデメリットもあります。
下着の紐や胸元が見えそうな襟の広いもの、シースルートップス、ローライズパンツなどは控えましょう 。
派手な色・派手な柄の服装
派手な色やデザインの服装も、保育士の職場には向いていません。
露出が多い服装と同様、保護者などからの印象を考えれば、控えたほうが無難です。
原色カラーやダメージジーンズは個性的に見られやすいため、保育園でも浮く可能性があります。
ベージュや白、グレーなどシンプルな色とデザインのものを選んだほうが良いでしょう。
保育士の服装選びのポイント5つ
保育士の服装選びで押さえておきたいポイントがあります。
それは園児と自分自身の安全を守り、より仕事をしやすくするという観点です。
服装選びの参考にしてください。
ポイント1:安全な服装を選ぶ
保育士の服装は、安全が第一条件です。
服装によっては園児の誤飲や転倒などを招く恐れがあります。
リスクのある服装は控え、安全な服装を選びましょう。
フード・紐が付いていない服
保育士の服装では、フードや紐が付いていない服を選びましょう。
特にトレーナーやパーカーに多いので注意が必要です。
紐やフードを園児が引っ張ると、保育士が転倒して園児を巻き込んでしまうことがあります。
また、園児がぶら下がろうとして、窒息する危険性もあります。
フード・紐付きの服装は避けましょう 。
装飾が少ない服
保育中、ボタンやビーズなどが付いている服装は避けてください。
園児がぶつかってきて顔をケガする可能性や、落ちた装飾品を園児が誤飲する可能性があります。
バラバラになる可能性のあるネックレス、落下する恐れのあるピアスも同様です。
パーツが小さいため、園児が飲み込んだり、鼻や耳の中に入れて遊んだりする可能性もあるので、仕事中は外しておきましょう。
ポイント2:動きやすい服装を選ぶ
園児を抱っこしたり、園児と遊んだりする保育士の服装は、動きやすいものであることが基本です。
危険な場面で即座に動かなくてはならないためです。
遊び以外でも、午睡時の布団敷きやオムツ交換・トイレ介助、掃除に消毒と、体を動かす仕事が多々あります。
Tシャツやジャージ、ストレッチ機能が付いた素材などを選ぶのがおすすめです。
ポイント3:清潔感がある服装を選ぶ
保育士の仕事は、保護者や地域住民にも見られています。
良い印象を持たれるためには、清潔感がある服装を選ぶことが重要です。
また良い衛生環境を整える意味でも、清潔感がある服を着ることは大切です。
集団行動ゆえに、感染症を保育士自身が保育園内で伝播しないよう、洗濯したきれいな服を毎日身につけましょう。
ポイント4:自然素材の服装を選ぶ
保育士の服は自然素材でできたものが安心です。
保育士は園児を抱っこする機会が多い職業です。
子供が敏感肌である場合、素材によっては肌が擦れて荒れてしまうことがあります。
ポリエステル素材だと静電気を起こして、園児がびっくりしたり痛い思いをしたりします。
そうならないためにも、自然素材でできた、やわらかい生地の服を選びましょう 。
ポイント5:洗いやすい服装を選ぶ
保育士の服は、園児の食べこぼしや吐き戻し、外遊びなどで汚れやすいものです。
清潔な服を毎日着るためには、その日のうちに洗濯しなければならないので、自宅で気軽に洗える服装が良いでしょう。
毎日洗っても、毛玉が出にくく、縮みにくくて色落ちしにくい素材がおすすめです。
洗った翌日には乾くような、取り扱いのしやすい服を選びましょう 。
信頼と安心を得られる服装選びを心がけよう
基本的に動きやすいコーデは、Tシャツとチノパンやジャージです。
しかし保育士の服装にもTPOは重要であり、場面ごとに求められる服装が異なります。
いずれの場合でも、基本は園児の安全と保護者や、地域住民からの信頼性が重要であることは変わりありません。
だれからも信頼される服装選びを心がけましょう。