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薬剤師の将来性に不安?AIに仕事を取られないためにはどうしたら良い?

国家資格で将来安泰と思われがちな薬剤師ですが、現在は将来性が不安視される原因がいくつかあります。
今回は、薬剤師の現状と将来性、就業先ごとの今後の状況、キャリアアップなどを詳しく解説します。

薬剤師を続けるべきか、転職すべきか頭を悩ませている薬剤師の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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薬剤師の現状と将来性がないといわれる理由

薬剤師の現状と将来性がないといわれる理由

薬剤師は現段階では売り手市場ですが、医療のあり方の変化や少子高齢化にともない、今後供給過多になる可能性が示唆されています。
薬剤師に将来性がないといわれる理由を、掘り下げてみましょう。

薬剤師が増えている

薬剤師の将来性が不安視されている一つ目の理由は、薬剤師数の増加です。
厚生労働省の調査では、2020年(令和2年)の国内薬剤師総数が32.5万人であるのに対し、2045年(令和27年)には45.8万人に到達すると推計 するデータが出ました。
この状況が続けば、薬剤師はいずれ飽和状態になることが予想されます。

処方箋数が減ると予測される

厚生労働省の調査では、薬剤師の需要を図る指標の一つである処方箋数は 今後減少することが見込まれています。
処方箋枚数は2035年がピークになり、そこからしばらくは一定を推移し、人口減少の影響を受け徐々に減少するといわれています。

処方箋数が減ると予測される

参考:薬剤師の需給推計

AIによる一部業務代替の可能性がある

技術の発展により、医療分野でもAIの活躍が期待されています。
AIの活用ともない、薬剤師業務でも今まで人の手で行ってきた業務の一部をAIが代替する可能性があります。

診療の場でロボット手術が取り入れられているように、今後薬剤師の業務も、臨機応変な対応が必要な服薬指導や相談対応以外の業務にはAIが関わってくるかもしれません 。

薬剤師の有効求人倍率は減少傾向

一人に対して求人が何件あるかを示す有効求人倍率ですが、薬剤師は他の職業と比較すると依然として高いもの の、平成25年は8.6倍であったのに対し令和4年には2.89倍と年々減少しているのも事実です。

人気のある職場は、就職や転職するのが難しい場合もありますが、有効求人倍率が下がると給料も減ってしまう恐れがあることは理解しておきましょう。

薬剤師の将来性を就業場所別に解説

薬剤師の将来性を就業場所別に解説

薬剤師の将来性は、就業先によっても異なります。

調剤薬局で働く薬剤師の将来性

まず、薬剤師の勤務先として、最も一般的な調剤薬局で働く薬剤師の将来性を考えていきましょう。

令和元年の法改正にて、調剤薬局に勤務する事務員による薬剤師業務の一部代替が許可されたことなどを受け、薬剤師一人ひとりの業務量は減少しています。
このような状況を受け、将来的に調剤薬局の規模は縮小していく ことが予想されるため、調剤薬局での薬剤師の需要も少なくなっていくと考えられます。

病院で働く薬剤師の将来性

夜勤や他職種連携の必要がある病院薬剤師の業務は、総合的なスキルを身につけられるというメリットと、業務がハードであるというデメリットを併せ持っていますが、将来性は期待できるでしょう。

その理由として、高齢化社会で国が在宅医療を推進していることを受け、 薬剤師も在宅医療による訪問薬剤管理指導が求 められていることが挙げられます。

ドラッグストアで働く薬剤師の将来性

ドラッグストアは市場規模が年々拡大しているため、薬剤師にとって高い将来性が期待できる就業先であるといえるでしょう。

処方箋の対応が可能な調剤薬局併設型ドラッグストアも増加していることから、ドラッグストアにおける薬剤師の需要は今後も拡大していくと考えられます。

製薬会社で働く薬剤師の将来性

ジェネリック医薬品(すでにある医薬品と同じ有効成分を使い、効き目・安全性などが同等な後発医薬品) の開発にともない、製薬会社における薬剤師の需要は今後低下していく状況が考えられます。
ジェネリック医薬品や新薬開発の減少 だけでなく、令和2年の薬価改定もまた製薬会社の採用活動に待ったをかけている状況です。

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薬剤師として今後も活躍するために身につけたいこと

薬剤師として今後も活躍するために身につけたいこと

薬剤師の将来性が不安視される一方で、薬剤師として長く活躍し続けるために準備しておけることもたくさんあります。

専門知識

薬剤師として基本的な調剤や服薬指導などの業務を行うだけでなく、専門性の高い薬剤師をめざしましょう。

厚生労働省は調剤薬局に対して高度薬学管理機能の強化を求めています。
高度薬学管理機能とは、専門性の高い知識や技術を身につけた認定薬剤師や専門薬剤師を配置したうえで、がんやHIVといった疾患を有する患者さんに対して専門的なケアを行う機能のことです。

認定薬剤師や専門薬剤師は、薬剤師として専門性を高めるのに最適な資格です。
特に需要が高まっているものとして、がん専門薬剤師・がん薬物療法認定薬剤師・感染制御認定薬剤師・感染防御専門薬剤師などが挙げられます。

マネジメント能力・コミュニケーション能力

薬剤師の業務にはマネジメント能力やコミュニケーション能力が必須です。
患者さんとのコミュニケーションはもちろんのこと、病院勤務の場合は特に他職種との連携が求められる場面も多いので、チーム医療に対応できるスキルを身につけておく必要があります。

調剤薬局やドラッグストア店舗の責任者となる管理薬剤師や、薬学生に対して指導を行う認定実務実習指導薬剤師は需要があるため、そういった資格をめざすのも良いでしょう。

在宅医療の経験

高齢化社会の影響を受け、薬剤師業界でも今後在宅医療の経験が強みになります。
地域密着型の調剤薬局やドラッグストアでは、特に在宅医療への取り組みが推進されています。

在宅で療養している患者さんのなかには、多数の薬を必要とし、内服方法や飲み忘れへの対策などで困っている方も少なくありません。
このようなケースで、薬のプロフェッショナルとして患者さんの服薬管理をサポートできれば、地域で重宝される存在となるだけでなく、転職時にも有利になることでしょう。

どのような人が薬剤師に向いているのか、また薬剤師を続けたほうが良い人については以下の記事もご参照ください。

AIではできない業務を大切にする

AIではできない業務を大切にし、AIに負けない力を身につけることも重要です。

AIでもできる薬剤師業務は以下のとおりです。

  • 薬の用意
  • 在庫の管理
  • 調剤済み薬剤のチェック
  • 散薬軽量や錠剤取り揃え

一方で、AIにはできない仕事もあります。

  • 対人業務
  • 患者さんの健康管理や服薬管理
  • 調剤薬の確認

薬剤師に対してこれまでは主に調剤業務が求められていましたが、今後はAIの普及にともなって対人業務を軸にした仕事が重視されるようになっていくでしょう。

AIは会話のなかで患者さんの潜在ニーズを見つけることは難しいため、それを逆手に取って、患者さんの思いやニーズに寄り添うことのできる薬剤師をめざしていく必要があります。

多様化するニーズに応えることが薬剤師の価値を高める

今回は、薬剤師の将来性を解説しました。
薬剤師は今後ますます供給過多になっていくことが予想されるため、薬剤師の飽和状態が懸念されます。

そのようななかでも薬剤師として必要とされ続けるためには、多様化するニーズに応えられるようスキルアップしていくことが重要です。
特定の分野に対する専門性が高い認定薬剤師や専門薬剤師をめざしたり、在宅医療の経験を積んだりするのも良いでしょう。

また、管理者経験を積んだり、AIに負けない対人業務を大切にして業務を行ったりすることも価値があります。
アピールできる強みのある薬剤師をめざし、薬剤師としての価値を上げていきましょう。

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